現地時間1月31日に開催されたABB FIAフォーミュラE 世界選手権の第3戦となるマイアミE-Prixは、ジャガーTCSレーシングのミッチ・エバンスが27周目のオーバーテイクで首位に立つと、そのまま後続を突き放して今季初勝利を挙げた。
ポールポジションからスタートしたニコ・ミュラーが2位、11番手スタートのパスカル・ヴェアラインが3位に入り、ポルシェ・フォーミュラEチームがダブル表彰台を獲得して週末を締めくくった。
完璧なレースで優勝記録樹立:ミッチ・エバンス


ウェットコンディションとなったマイアミ・インターナショナル・オートドロームで、チャンスをつかんだのはエバンスだった。9番手から順調にポジションをあげ、27周目に長いバックストレートエンドでスイッチバックを決めミュラーをオーバーテイクしリードを奪う。その後2度のアタックモードをしっかりとまとめあげ、最終的に3.1秒差をつけトップでチェッカーフラッグを受けた。
今季でフォーミュラE参戦10シーズン目を迎えるキーウィドライバーは、通算15勝目となる歴代最多優勝記録を打ち立てると同時に、キャリア通算1000ポイント突破という並外れたマイルストーンを達成した。
「最多勝利記録を手にすることができたのは特別ですね。まだ手にしていない“ビッグタイトル”(チャンピオンシップ)は残っていますが、素晴らしい記録です。この数字はチーム全体の努力の証ですし、15勝目をきっかけにシーズンを立て直していけると思います。」
開幕2戦を無得点で終え、苦しいスタートを強いられていたエバンスとジャガーTCSレーシングだが、マイアミで流れは一変した。今季初優勝に加え、チームメイトのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタも接触に巻き込まれながらポイントを持ち帰り、チームとして一気に30ポイントを獲得。チームズランキングは7位まで浮上した。
またエバンスは昨季、開幕戦で最後尾から追い上げの勝利を挙げながら、第13戦のポール・トゥ・ウインまで無得点が続いたが、第14戦以降は好転。今回のサンシャイン・ステートでの勝利が、再び巻き返しへの足掛かりとなるか期待だ。
キャリア初ポール獲得と久々の表彰台登壇:ニコ・ミュラー


予選デュエルファイナルでルーキーのフェリペ・ドルゴビッチを下し、自身初のJulius Bärポールポジションを獲得し、最高のスタートを切った。オープニングラップでアタックモードを使用したドルゴビッチや翌周ミュラーとともにアタックモードに入ったニック・デ・フリースに先行を許すも、その後序盤の主導権を握ったミュラー。27周目にエバンスにオーバーテイクされたものの、その後は好ペースを見せシーズン7第5戦バレンシアE-Prix以来、自身2度目の表彰台を獲得した。
「ポルシェの皆にとって、本当にうれしい結果になりました。できるだけ早くチームに溶け込めるよう努力してきましたし、移籍3戦目で2台揃って表彰台に上がれたのですから、これ以上ない結果と言っていいと思います。今日はミッチ(エバンス)が一枚上手で、勝利にふさわしいものでしたね。チームとして多くのポイントを獲得できましたし、自分自身もポールポジションと2位という素晴らしい一日になりました。これを土台にさらに積み重ねていきます。」
追い上げのレースで今季初表彰台:パスカル・ウェーレイン


11番手スタートのウェーレインは序盤にアタックモードを使用し、350kWのパワーを武器に一気に5位まで浮上。34周目にはデ・フリースをオーバーテイクして3位にポジションを上げると、その後も安定したペースで走り切り、昨季第13戦以来・今季初となる表彰台を手にした。
「良いレースでした。この週末はマシンに問題が見つかり、レース前までのセッションにそれが少し影響する苦しい展開で、11番グリッドからのスタートというのを考えると、今日の3位が自分たちにとっての最大限の結果だったと思います。チームにとって価値のある表彰台で、多くのポイントを獲得できましたし、その点では満足しています。とはいえ、予選がもう少し良ければ、勝利も十分に狙えたはずです。ポイント獲得という面では、間違いなく今季ベストの週末のひとつです。シーズンはまだ序盤ですが、こうして着実にポイントを積み重ねていくことが、シーズン後半に向けて重要になってきますからね。」
ポルシェ・フォーミュラEチームは、2台揃っての表彰台により36ポイントを獲得し、合計77ポイントでチームズランキング首位に浮上。2位のシトロエンに対して27ポイントの大差をつけた。さらにマニュファクチャラーズランキングでも、ステランティスに25ポイント差をつけてトップを維持し、マイアミE-Prixを終えた。

一方でドライバーズスタンディングではシトロエンのニック・キャシディが首位を維持。レースではラップダウンとなり苦しい週末だったものの、ウェーレインに2点差の1位で次戦ジェッダを迎える。
ABB FIAフォーミュラE 世界選手権は世界初のB Corp認証を取得したグローバルスポーツとして、マイアミでも持続可能性を実践。再生可能エネルギーの活用、物流におけるCO₂削減、地域社会への還元など、環境・社会両面での取り組みを継続している。
次戦は2月13日、14日第4戦・第5戦 ジェッダE-Prix。紅海を望むメッカへの玄関口、ジェッダ・コーニシュ・サーキットへと舞台を移す。


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