日曜日(日本時間月曜日)に開催されたフォーミュラE ポートランドePrixは、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)が再び優勝。ポートランド2レースとも完全制覇し、また上海から数えて3連勝となった。一方ポイントリーダーのキャシディはまたもやノーポイントでレースを終え、チャンピオン争いは波乱の展開となりそうだ。

優勝したアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ 写真:TAG Heuer Porsche Formula E Team
ポルシェにとっては完璧なレースとなった。ダ・コスタはこの5戦で4勝した事になり、チームメイトのパスカル・ヴェアラインはレースの2/3以上フロントウイングを失った状態で走っていたにも関わらず、4位フィニッシュでチャンピオン争いに望みをつなげた。
スタート直後は順位が激しく入れ替わっていたものの、2位スタートのダ・コスタは、最終的に2位フィニッシュしたロビン・フラインス、ポールスタートののジャン・エリック・ベルニュとともに、レースの大半をトップグループで走っていた。
20周目、デブリ撤去のために出動していたセーフティーカーがピットインしグリーンになると、再スタートでダ・コスタがターン1-2でフラインスをオーバーテイク。トップに躍り出た。
直後はダ・コスタは電費を気にしており、またフロントウイングを失ったヴェアラインをトップ争いに引き止めるためにポルシェも「必要であればフラインスの前にいろ」といった指示をしていた。
しかしレース終盤、残り周回数が確定しスプリントレースになった瞬間、ポルシェはダ・コスタに対し「レースに勝つ為にリスクは犯すな。先頭をキープしろ」と指示。その時2番手であったジャガーのエバンスを引き離し始めた。
フラインスはファイナルラップでエバンスをオーバーテイク。全力でダ・コスタを追いかけたが周回数が足りず、僅差で2レース連続の2位表彰台となった。
優勝、そしてキャシディのノーポイントでダ・コスタは33ポイント差の4位にまで浮上。今シーズン不可能と思われていた、2度目のチャンピオン獲得の可能性を残した。
前日のレースでトップチェッカーだったものの、ヒューズとの接触によるペナルティで8位まで降格となったエバンス。日曜日のレースでも速さは健在でトップグループを常に走っていた。しかし2度目のアタックモードで8位まで順位を落とし、追い上げのレースを余儀なくされた。
3位フィニッシュした事で、エバンスはヴェアラインと同点のランキング2位となった。
エバンスとヴェアラインはこれで、ランキングトップのキャシディから12ポイント差となっている。
キャシディは14周目に発生した多重接触に巻き込まれ、後ろから追突され前のジェイク・デニスと接触。フロントウイングを壊した為ピットインせざるを得なくなった。
キャシディは20周目のセーフティーカーでギャップをゼロに出来たものの、スプリントレースとなった事でチャンスを生かせず、14位フィニッシュに終わった。
ジャガーは依然としてチームランキングではリードしているものの、ポルシェとの差は33ポイントに縮まった。7月のロンドン最終戦ではチーム全体として94ポイント獲得可能なため、こちらもまだわからない。
ABTクプラのニコ・ミューラーにとっても素晴らしい週末となった。パフォーマンス的に厳しいABTクプラ(マヒンドラパワートレイン)のマシンでありながら、土曜日の5位フィニッシュに続き、日曜のレース2でも6位を獲得した。
またエンビジョンのセバスチャン・ブエミとアンドレッティのジェイク・デニスは、ピットインを余儀なくされたドライバーの1人だが、その後入賞している。
ブエミは技術違反(ブエミに非はない)でトップ集団に居ながらドライブスルーペナルティを受け、デニスはキャシディら多重接触に巻き込まれ右後輪をパンク。ピットインしていた。
レース序盤トップ集団にいたマクラーレンだが、早くも忘れたい週末となってしまった。
サム・バードはヴェアラインのマシンが吐き出したフロントウイングを運悪く踏んでしまい、コース外に追い出され最終的にリタイアとなった。
ジェイク・ヒューズはレース序盤トップ争いを繰り広げていたが、日産のサッシャ・フェネストラズに追突されフロントウイングの半分を破損(サッシャは5秒ペナルティとなった)
その後ターン6にてスピンを喫し、終盤にリタイアした。
マヒンドラも序盤トップ争いをしていたが、デフリースはキャシディらの接触のタイミングでマシンを破損しピットイン。20周目にリタイアした。
チームメイトのモルタラもダコスタとのバトルを繰り広げたが、ターン10-11でコースオフ。最終的にパンクでリタイアとなった。
フォーミュラE シーズン10は7月20日、21日に行われるロンドンePrix 2連戦でフィナーレを迎える。
最終リザルト:
| Pos | Driver | Team |
| 1 | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ | タグ・ホイヤー・ポルシェ |
| 2 | ロビン・フラインス | エンビジョン |
| 3 | ミッチ・エバンス | ジャガーTCS |
| 4 | パスカル・ヴェアライン | タグ・ホイヤー・ポルシェ |
| 5 | ジャン・エリック・ベルニュ | DSペンスキー |
| 6 | ニコ・ミュラー | ABTクプラ |
| 7 | ノーマン・ナトー | アンドレッティ |
| 8 | マキシミリアン・ギュンター | マセラティMSG |
| 9 | セバスチャン・ブエミ | エンビジョン |
| 10 | ジェイク・デニス | アンドレッティ |
| 11 | ストフェル・バンドーン | DSペンスキー |
| 12 | ユアン・ダルバラ | マセラティMSG |
| 13 | ニック・キャシディ | ジャガーTCS |
| 14 | セルジオ・セッテ・カマラ | ERT |
| 15 | ダニエル・ティクタム | ERT |
| 16 | カイオ・コレ | 日産 |
| 17 | ルーカス・ディ・グラッシ | ABTクプラ |
| 18 | サッシャ・フェネストラズ | 日産 |
| DNF | エドアルド・モルタラ | マヒンドラ |
| DNF | サム・バード | NEOMマクラーレン |
| DNF | ニック・デ・フリーズ | マヒンドラ |
| DNF | ジェイク・ヒューズ | NEOMマクラーレン |
ドライバーズチャンピオンシップ(トップ5)
| POS | DRIVER | TEAM | POINTS |
| 1 | ニック・キャシディ | ジャガーTCS | 167 |
| 2 | ミッチ・エバンス | ジャガーTCS | 155 |
| 3 | パスカル・ヴェアライン | タグ・ホイヤー・ポルシェ | 155 |
| 4 | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ | タグ・ホイヤー・ポルシェ | 134 |
| 5 | オリバー・ローランド | 日産 | 131 |



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