フォーミュラE、プレシーズンテストにて”女性限定セッション”の開催を発表。各チーム最低1人の女性ドライバー起用が義務に。【フォーミュラE】

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フォーミュラEは10月2日、11月4日から7日にかけてバレンシア、リカルド・トルモ・サーキットで行われるプレシーズンテストにおいて、11月7日の午後セッションを「女性限定セッション」として行うと発表した。女性ドライバーの起用が義務付けられるのは、シーズン5開幕戦ディルイーヤの翌日に行われた、インシーズンテスト以来である。

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各チームは、11月7日の午後セッションに向け最低1人の女性ドライバー起用が義務付けられる。なおフォーミュラEのプロモーターは、各チームに対し2名の起用を”推奨している”としている。

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女性ドライバーの起用義務はこれが初めてでは無い。2018年に行われたシーズン5開幕戦ディルイーヤでは、開幕戦の翌日にインシーズンテストが開催。各チーム1人の女性ドライバー起用が義務付けられ、キャサリン・レッグ、タチアナ・カルデロン、ジェイミー・チャドウィック、ベイツケ・フィッサー、カルメン・ヨルダなど11人の女性ドライバーがレギュラー陣と共に走行した。

今回のテストでは選ばれた女性ドライバーが全員、最新マシンのGen3 Evoをドライブする事になる。

このテストは、女性ドライバーに世界の舞台で才能を発揮する機会を提供し、FEがキャリアパスになり得ることを示すことを目的としているという。

現状モータースポーツ界において、最近は女性の数を増やそうという動きがあるものの、依然として男性優位の業界であるのが現状だ。

最近の FIA の数字によると、トップレベルの FIA レースライセンス保有者のうち、女性が保有しているのはわずか 3% という。

リカルド・トルモ・サーキットでテストに参加するドライバーは全員、知名度向上を目指してインタビューや記者会見にも参加する予定である。

フォーミュラEはこの他にも、プレシーズンテストにおいて地元スペイン在住である最大400人の女性を対象として、「FIAガールズ オン トラック」の拡張版を開催予定としている。このプログラムの参加者は、モータースポーツ全般にわたるキャリアの加速を目的としたワークショップに参加しながら、女性レーシング ドライバーの演技を観戦したり、交流したりする機会を得られるという。

またシーズン11以降についても、このプログラムを更に拡張する予定であるという。

その他にも、チームなどと協力しエンジニアリングサポート、シミュレーターテスト、将来的なテスト参加など女性ドライバーを後押しする取り組みを行うと表明している。更にシーズン13から導入予定で現在開発中の”Gen4″では、パワーステアリングを導入予定としており、男性ドライバー、女性ドライバー共にパフォーマンスを向上させるという。

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フォーミュラEは近年、女性の幹部登用にも力を入れている。2024年5月には、元SRTモータースポーツのディレクターかつインディカーチームのオーナーも務めていたベス・パレッタをフォーミュラEオペレーションズのスポーツ担当副社長に任命している。

ジェフ・ドッズ(フォーミュラE CEO)の公式コメント

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モータースポーツの多様性を高めるための、簡単な解決策はありません。しかし、私たちのシリーズで女性に対し本当に平等、チャンス、そして注目度を与えたいと考えているのならば、既にグリッドにいる男性ドライバーたちと競い合うために、すべての女性に同じ条件を与え、成長を後押しする必要があります。」

「女性ドライバーが古いマシンや、制限されたマシンを使わなければならない他のシリーズとは異なります。彼女たちは、チャンピオンシップのドライバーと同じように、F1マシンよりも30%速く加速する最先端のGEN3 Evoマシンを使用します。」

「1回のテストで長年の問題が解決するわけではないでしょう。しかしどこかでアクションを起こさなければなりません。道のりは長いことを認識しつつ、前進し続けるために積極的で、かつ一貫したステップを確実に踏んでいく必要があります。フォーミュラEは男性と女性のファンがほぼ同数なモータースポーツシリーズです。またフォーミュラE内部のエグゼクティブチームとディレクターチームも同様です。その様な組織が、スポーツをフォローしサポートする人々の代表であるのは当然の事でしょう。」

参加が噂される女性ドライバー

ジェイミー・チャドウィック

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Wシリーズのチャンピオンであり、現在インディNXTに参加し、ロードアメリカでは優勝も遂げたジェイミー・チャドウィックがテストに参加することは非常に濃厚である。ただチームは、インディNXTで所属するアンドレッティでは無いようだ。

The Race紙によると、チャドウィックは今週月曜日にアンドレッティのインディカーをテストしたにも関わらず、フォーミュラEのテストではアンドレッティをドライブしないとしている。

25歳のチャドウィックは、2018年のディルイーヤではNIOから、そして2020年のマラケシュでのテストにてジャガーをドライブしており、すでにGen2マシンでは2回の走行経験がある。今回もジャガーがチャドウィックの出場候補となる可能性が高い。

アビー・プリング

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現在F1アカデミーにロダン・モータースポーツから参戦し、ポイントリーダーであるアビー・プリングも参加予定である。プリングはアルピーヌ・アカデミーへ所属しており、その繋がりから日産をドライブする予定だ。

プリングは来シーズンへ向け、FIA F3へのステップアップを目指しているとされる。

アリス・パウエル

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Wシリーズにも出場していたパウエルだが、現在はプリングを含めた女性ドライバーのマネージャーを主に行なっている。

その傍らエンビジョンレーシングの開発ドライバーも務めており、その一環としてエンビジョンをドライブする可能性が濃厚だ。

ソフィア・フローシュ

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FIA F3にVARから参戦しており、プリングと同じくアルピーヌ・アカデミーであるフローシュは、日産の2台目をドライブする事が濃厚だ。

彼女は数シーズンにわたりF3でレースを行い、世界耐久選手権やヨーロッパ・ル・マン・シリーズなどを戦った後、2023年よりF3へ復帰した。

23歳の彼女はF3ではあまり結果を残せておらず、最高位は昨シーズンのスパでの7位であるものの、ELMSでは表彰台といった好成績を収めている。

ジェシカ・エドガー

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ジェシカ・エドガーは今年F1アカデミーへロダン・モータースポーツから参戦しており、ジェッダでは4位に入るなど速さを見せている。

ジェシカは元エンビジョンやDSペンスキーでテストドライバーを務めたジョニー・エドガーの従兄弟であり、その関係から今回DSペンスキーをドライブする予定だ。

マルタ・ガルシア

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初代F1アカデミーチャンピオンのガルシアは、5月にベルリンで行われたルーキーテストにて、ERTフォーミュラEチームより参加した経験を持つ。今回もERTからテストに参加する予定だ。

彼女は今年、ドリアーヌ・パンと共にアイアン・デイムスからフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ by アルピーヌへ参戦しているが苦戦。現在ポイントは獲得できていない。

クロエ・チェンバース

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現在F1アカデミーへカンポスから参戦している、中国生まれのアメリカ人ドライバーであるクロエ・チェンバースは以前、アンドレッティからフォーミュラEテスト参加について交渉を行なっていた。今回まだチームは未定であるものの、アンドレッティから参加の可能性が高いという。

ハースがサポートするチェンバースは、F1アカデミーでの初のフルシーズンで競争力を発揮しており、スペインでは優勝と3位を獲得し、マイアミでも表彰台を獲得した。

フォーミュラEのシーズン11は、11月4日から7日にかけてプレシーズンテストが行われ、12月7日にサンパウロで開幕する。