
写真:Formula E
今週末、フォーミュラE シーズン10 第13戦/14戦 ポートランドePrixがポートランド・インターナショナル・レースウェイにて開催される。
今シーズンもいよいよ残り4レース。
ここでは、今週末のレースにおける見どころを紹介しよう。
・ジャガーとキャシディを止めるのは誰だ

累計で167ポイントを獲得し、2位のヴェアラインに25ポイント差をつけて暫定トップに立っているニック・キャシディ。
今シーズン2勝を記録し、ここまで8回の表彰台、ノーポイントは2回のみと脅威の安定性だ。
なおキャシディはこの2戦で59ポイント差を付けることが出来れば、ポートランドにてチャンピオンを決める事ができる。
チームメイトのミッチ・エバンスも132ポイントでランキング3位。
そしてチームランキングではジャガーが2位ポルシェに73点差を付けてトップに立っている。
ここまで圧倒的強さを見せているジャガーTCSレーシングだが、ポートランドでもこの勢いを維持できるのだろうか。
・いよいよ大詰め、チャンピオン争い。
キャシディ(ジャガー)、ヴェアライン(ポルシェ)、エバンス(ジャガー)、ローランド(日産)、シーズン10のチャンピオン争いはこの4人に絞られたと言っても過言では無い。
キャシディと2番手ヴェアラインの差は25ポイント差なものの、ヴェアラインと3位エバンスは10ポイント差、エバンスと4位ローランドに関しては1ポイント差と僅差だ。
ヴェアラインは今シーズン最も早くシーズン中2勝目を獲得したドライバーであるが、表彰台回数がキャシディより少なく、不運でのノーポイントも響いている。残り4レースは最低でも、コンスタントに表彰台に登りたいところだ。
またローランドはキャシディと36ポイント差であり、チャンピオン争いに望みを繋ぐ為にも日産が弱点としている予選の改善が急務だ。
と言いたいところであったが、オリバー・ローランドは体調不良によりポートランドePrixを欠場。チャンピオン争いから実質脱落となってしまった。代役としてインディNXTに参戦するカイオ・コレが急遽ドライブすることになった。
・ONE TEAM
このチャンピオン争いのキーポイントとなるのが、最近のトレンド(?)になりつつある「チーム戦」だ。今シーズンのフォーミュラEでは、チームメイト同士で前後を走ることでお互いを引っ張り、アタックモードや電費走行のサポートをする戦略がトレンドとなっている。特にこれが上手いのがポルシェだ。シーズン前半苦戦したダ・コスタの復調は大きく、モナコでもヴェアラインがアタックモード入る為に後続を抑えるなど、ヴェアラインが前に居た場合はチームプレイに徹している。難しい判断を迫られるのがジャガーだ。キャシディが優勢なものの、エバンスも35ポイント差の3位でまだチャンピオンが狙える位置だ。
今後再びエバンスとキャシディのチームメイトバトルになった際に、ジャガーがオーダーを出すのかそれとも戦わせるのか、どの様な判断をするのかにも注目したい。
チャンピオンを争うドライバーの中で、チーム戦に遅れをとっているのがローランドが所属している日産だ。
チームメイトのサッシャ・フェネストラズが今も苦戦を強いられており、現状日産はローランド1台のみで上位争いをしている事が多い。
これはシーズン10で日産が行ったソフトウェアアップデートにサッシャが対応しきれていない事が原因かもしれないという。
ただミサノでの5位入賞や、ベルリンePrixでも不運さえ無ければ上位入賞が確実であった事など復調の兆しを見せていることも確かだ。シート喪失も噂されているだけに、残り4レースでの復活に期待したい。
・最後のポートランド開催
ポートランドePrixが行われるのはインディカーなどでお馴染みなポートランド・インターナショナル・レースウェイだ。近年常設コース開催が増えてきたフォーミュラEだが、ポートランドは”唯一”コースレイアウトが他カテゴリーと共通なのも特徴だ。
(上海とミサノは短縮レイアウトを使用、過去のバレンシアも短縮&一部レイアウト変更)
そんなポートランドePrixであるが、ポートランド開催はひとまず今年で最後になる予定だ。
ただアメリカでのレースが無くなるわけではない。先日発表されたシーズン11のカレンダーでは、4月12日に第6戦としてマイアミでのレースが予定されている。
(場所は未発表だが、ホームステッド=マイアミ・レースウェイが濃厚)
来シーズンからマイアミに舞台を移す事で、ひとまず最後となるポートランド戦。
しっかり目に焼き付けたいところだ。

・”パックレース”はもう勘弁?
昨年のポートランドePrixは今のフォーミュラEではお馴染み(?)となった激しい”譲り合いレース”となった。
常に接近戦であった事からウイングの損傷が相次ぎ、ニコ・ミュラーがウイングを巻き込んで大クラッシュした事は記憶に新しい。
だが今回はそれが緩和されるかもしれない。
今回のポートランドePrixでの最大使用可能エネルギー量は38kWh。周回数は第13戦が27周、14戦が26周となっている。
昨年は同じエネルギー量で更に1周多く、28周レースであった。
またアタックモードの時間も合計8分間であったのが、今年は6分間に短縮された。
昨年よりも1〜2周分余裕が出る事で、少しはレース内容も落ち着いたものになる…かもしれない。
・土壇場でのレイアウト変更
今回は勢力図にも少し変化があるかもしれない。
とは言うのも、FIAがレース10日ほど前に急遽コースレイアウトを反応したからだ。
元々は最終コーナーに追加のシケインが設けられる予定で、これにより電費的な負担も緩和されるはずであった。
ただ6月20日に急遽FIAはコースレイアウトを変更。最終シケインは撤去され、昨年と同じレイアウトを使用することになった。
これによりチームは数週間かけて準備していたシミュレーターのデータが無効に。
残り限られた数日間で、現行レイアウトによるシミュレーションを急遽行わなければならなくなった。
このレイアウト変更は安全帯の問題によるものであるという。
なおこの変更前のレイアウトがどのようであったかは、DSペンスキーの公式Xで見る事ができる。
(https://x.com/ds_performance/status/1805979404230660593?s=46&t=1O13IZqjbF3tZYmnY_Z7Sg)
(1:10ごろ)


上が変更前、下が変更後のコースレイアウト。ターン12以降に注目
ABBフォーミュラE 世界選手権シーズン10
第13戦、第14戦ポートランドePrixは日本時間6月30日(日曜日)、7月1日(月曜日)の午前6時3分にそれぞれレーススタートだ。
Jスポーツ2/Jスポーツオンデマンドで生中継される。
お見逃しなく。



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