今シーズンのABB FIA フォーミュラE世界選手権もいよいよ最終決戦。最終戦を含むダブルヘッダーとなる、第15戦/16戦ロンドンePrixが今週末ExCeL Londonにて開催される。ここでは、そのロンドンePrixの注目すべきポイントについて紹介しよう。

様々なドラマがあったフォーミュラE シーズン10だが、いよいよ今週末のロンドンでのダブルヘッダーで決着する。チャンピオンの権利があるドライバーは現在理論上7名。その中からたった1人だけが、今週末のレースを経て栄光を勝ち取るのだ。
第13戦と第14戦のポートランドePrixが始まる前、ニック・キャシディのリードは圧倒的であり、理論上ではポートランドでチャンピオンを獲得できる可能性すら存在した。しかし結果は2レースともノーポイント。チャンピオン争いは非常に緊迫した形となっている。

キャシディのチームメイトであるミッチ・エバンスが第14戦で3位表彰台を獲得し、ポルシェのパスカル・ヴェアラインもフロントウイングを壊した状態で4位を獲得した事で2人は同ポイントに。トップのキャシディとの差は12ポイントにまで縮まった。またそのヴェアラインのチームメイトであるアントニオ・フェリックス・ダ・コスタも3連勝を重ねたことでチャンピオン争いに加わり、ジャガーvsポルシェの一騎打ちとなっている。
現在のチャンピオン候補ドライバーとポイント差は以下の通りだ:
なお今回のロンドンダブルヘッダーでは、理論上最大58ポイント獲得できる。
1. ニック・キャシディ:ジャガーTCSレーシング – 167ポイント
2. ミッチ・エバンス:ジャガーTCSレーシング – 155ポイント
-12ポイント
3. パスカル・ヴェアライン:タグ・ホイヤー ポルシェ – 155 ポイント
-12ポイント
4. アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ:タグ・ホイヤー・ポルシェ – 134ポイント
-33ポイント
5. オリバー・ローランド:日産 – 131ポイント
-36ポイント
6. ジャン=エリック・ベルニュ:DSペンスキー – 129ポイント
-38ポイント
7. ジェイク・デニス : アンドレッティ – 122ポイント
-45ポイント
なお仮に第15戦となるロンドンレース1でキャシディが優勝した場合、ダ・コスタ以下のチャンピオン権利は無くなることになる。
ランキングを見れば分かるように、今回のドライバーズチャンピオンシップ争いは基本的にジャガーvsポルシェの構図となっている。仮にレースでエバンスとキャシディの争いになった際、チームはオーダー含めてどのような判断をするのか、またダ・コスタはヴェアラインを助ける事が出来るかどうかなども注目ポイントだ。更にはジャガーのカスタマーチームであるエンビジョン、ポルシェのカスタマーチームであるアンドレッティもそれぞれワークスチームを援護する事は出来るのか、それも注目だ。日本人ファンとしては、今回こそ日産のサッシャ・フェネストラズがオリバー・ローランドを助けることが出来るかにも注目したい。
ドライバーズチャンピオンシップだけでなく、チームランキングも白熱している。ジャガーTCSレーシングは322ポイントでチームランキングをリードしており、タグ・ホイヤー・ポルシェが289ポイントで2位に付けている。この2チームは今シーズンから新設されたマニュファクチャラーズトロフィーでもチャンピオン争いをしており、ポルシェが407ポイントでトップ、ジャガーが388ポイントで2位と僅差の状態だ。
昨シーズンのレースも非常に白熱したものとなった。3度目のExCeL Londonでの開催となり、セーフティーカー後に3周スプリントとなったレースで見事ジェイク・デニスが優勝。地元ヒーローがチャンピオン獲得となった。これはアンドレッティとデニス双方にとって、初のフォーミュラE世界選手権タイトル獲得であった。

昨シーズンのロンドンでは、デニスが最後からレース1時点で213ポイントを獲得してドライバーズワールドチャンピオンシップを獲得。ジャガーのミッチ・エバンスは176ポイントで2位となり、シーズン最終戦前にチャンピオン決定となった。
今シーズンもエバンスは再びチャンピオンシップの2位につけており、リベンジに燃えているだろう。キャシディも昨年悔しい思いをしており、この両ドライバーは昨年逃した忘れ物を取り戻し、地元でジャガーTCSレーシングに栄光をもたらすことを目指している。
ロンドンのユニークなコースレイアウト

ロンドンエクセルサーキットは、屋内セクションと屋外セクションが混在する、ユニークなレイアウトになっている。コースは屋内から始まり、そこは特別にコーティングされたハイグリップな路面が特徴だ。その後、ターン5から屋外セクションとなり、展示センターを囲む非常に摩耗しやすいアスファルト路面に変化する。
ターン10からターン13には、非常に高速でチャレンジングなシケインが設けられている。シケインを過ぎた先のターン14からターン15の緩やかな右コーナーは、非常に路面がバンピーになっておりバランスを崩しやすい。ターン16のブレーキングもドライバーにとっては関門だろう。
屋内セクションから屋内セクションへの移行は路面や標高の変化だけでなく、照明の変化による視界の変化も生じることにある、これはドライバーにとっては非常にチャレンジングだろう。
コースレイアウトは2023年から変更されておらず、基本的には全長2.08km、ターン数は20で変更が無い。しかしExCeL Londonの増設工事により、これまではターン18から屋内セクションであったのがターン16から実質屋内セクションとなった。また創設工事に伴う舗装の変化も一部で行われおり、ターン15は仮舗装でグリップが低下したことから一筋縄ではいかないだろう。アタックモードのアクティベートゾーンはターン16の外側の配置で変更はない。

最終戦が行われるエクセルロンドンサーキットがどのような姿をしているかは、以下のDSペンスキーによるシミュレーター映像を参考にしていただきたい。
白熱したシーズン10
今回のロンドンePrixはGen3マシンで行われる最後のレースとなり、来シーズンからはGen3 Evoが導入される。今シーズンはこれまで8人のレース優勝者が出ており、熾烈な競争が繰り広げられている。表彰台にはこれまで14人のドライバーが登壇しており、ドライバーズ ランキングのトップ10には現在7チームが名を連ねている。先述のトップ7の他に、東京EPrix優勝したマセラティMSGレーシングのマクシミリアン・ギュンターが8位、ポートランドでダブル表彰台を獲得したエンビジョン・レーシングのロビン・フラインス選手が9番手に付けている。そして今シーズン限りでのチーム離脱を発表した、DSペンスキーのストフェル・バンドーンが10番手に付けている。
放送予定
日本では、Jスポーツ2/オンデマンドで生中継含む放送が行われる。スケジュールは以下の通りだ。
第15戦
FP1 7月20日(土) 1:00~1:30 – フォーミュラE公式YouTube
FP2 7月20日(土) 18:00~18:30 – フォーミュラE公式YouTube
予選 7月20日(土) 20:15~21:40 – Jスポーツ2/オンデマンド
決勝 7月21日(日) 0:30~2:00 – Jスポーツ2/オンデマンド
第16戦
FP3 7月21日(日) 18:00~18:30 – フォーミュラE公式YouTube
予選 7月21日(日) 22:30~24:30 – Jスポーツ2/オンデマンド (録画放送/生中継なし)
決勝 7月22日(月) 0:30~2:00 – Jスポーツ2/オンデマンド



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