シーズン10のフォーミュラE最終戦、第16戦は9番手から大逆転で日産のオリバー・ローランドが今期2勝目。チャンピオンはポルシェのパスカル・ヴェアラインが獲得した。

ミサノでの優勝は繰り上げ優勝であった事から、フォーミュラE史上初めて表彰台で君が代が流れる結果に。(シーズン1第4戦ブエノスアイレスにて、優勝したアムリン・アグリは当時チーム国籍がイギリス。またシーズン5、6で日産e.damsが優勝した際もe.dams運営であった事からチーム国籍はフランスであった。)
タグ・ホイヤー・ポルシェのパスカル・ヴェアラインはドラマチックな展開となったレースを2位で終え、シーズン10のドライバーズチャンピオンに輝いた。ジャガーのミッチ・エバンスとニック・キャシディのペアは惜しくもチャンピオン争いで敗れた。
シーズン 10 の最終戦は、パスカル・ヴェアライン(ポルシェ)、ミッチ・エバンス (ジャガー TCS レーシング)、ニック・キャシディ (ジャガー TCS レーシング) の 3 人のドライバーがわずか 7 ポイント差で第 16 ラウンドに臨むという、まさに”前に居た者勝ち”の展開となり、GEN3 時代は華々しく幕を閉じた。
レースレポート
キャシディは、ポートランドでの惨敗と土曜日のロンドンでの予選での苦戦の後、再び上位に食い込むために全力を尽くし、レース1では15位から7位まで挽回。そしてレース2ではポールポジションを獲得。3ポイントを獲得し、この瞬間ヴェアラインとの差を4ポイントにまで縮めた。
スタート後、チームメイトのエバンスがターン1でマクシミリアン・ギュンター(マセラティMSG)を抜いて2位に浮上し、ジャガー1-2の体制で先頭を走った。
2周目、デニスとモルタラが接触しセーフティカーが導入。セーフティーカー解除後、ヴェアラインはギュンターを抜いて3位となり、6周目までにトップ3に3人のタイトル候補が並ぶことになった。
セーフティーカー解除後、キャシディはタイトル争いのライバルの中で最初に、アタックモードを起動。チームからの指示でエバンスがヴェアラインのポルシェを抑えている間に軌道を済ませ、無事トップで戻ることができた。
ジャガーは、チームとドライバーが3つのタイトルを争う中非常に有利な位置にいるように見えた。しかしキャシディが13周目に2回目のアタックモードを作動させた時から雲行きが怪しくなった。キャシディはアタックモードを起動する際、エバンスの後ろに戻る予定であったが、ヴェアラインにも先行されてしまう。これにはキャシディも無線で不満を露わにしていた。
接近戦となった事でエバンスとヴェアラインはアタックモードを消化するタイミングを失ってしまう。ヴェアラインはエバンスの後ろでエネルギーを節約する戦略に切り替え、一時は最大3パーセントもジャガーに対して優位に立った。
20周目、ヴェアラインターン1でエバンスのオーバーテイクを試みるも守られ、危うく2台はクラッシュ寸前となった。ヴェアラインは、早くエバンスを抜きアタックモード分のロスタイムを早急に稼ぎたいと考えていた。
29周目に事件は起こる。ターン18でオリバー・ローランド(日産)のオーバーテイクを試みたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)がキャシディのリアに追突。キャシディはパンクし、そのままピットインを余儀なくされる。これでキャシディのチャンピオン争いは一気に終了となってしまった。これによりグリッド9番手から4番手にまで順位を上げていたオリバー・ローランド(日産)が3位に浮上。その直後セーフティカーが発動された。
エバンスとヴェアラインはその直前にアタックモードの起動を試みたが、タイミングがセーフティーカー導入と被り無効に。ローランドがトップに立った。しかしその動きもセーフティカー下で行われたと判断されたため、ローランドはエバンスに譲らざるを得なかった。これにより、トップのエバンス、3番手のヴェアラインの間にローランドが入る形に。
33周目、ヴェアラインとエバンスは2回目のアタックモード起動を試みたが、エバンスは再び失敗。アタックモードを起動させたヴェアラインがエバンスのすぐ後ろに迫り、ローランドは再びトップに立った。
34 周目、エバンスはアタックモードの起動を再び試みる。今度こそは成功したが、これによりヴェアラインが2 位に浮上。アタックモードが残り 2 分となった時点で、エバンスはアタックモードをレース中に使い切れるか怪しくなった事で、時間を稼ぐ為にスローダウンを余儀なくされた。チャンピオン争いを優先して失格になるよりかは、完走してポイントを稼ぎ、チームチャンピオンシップに貢献するというジャガーの判断であった。
ローランドは最終的にホームePrixを優勝で締めくくり、ヴェアラインが2位フィニッシュ。エバンスに7ポイント差をつけてドライバーズ・ワールド・チャンピオンシップを獲得した。キャシディは最終的にランキング3位で終わった。

なおジャガーはチームタイトルを獲得し、1991年以来となる世界選手権でのチームタイトル獲得を達成した。
ポルシェは、ジャガーをわずか 7 ポイント差で破り、初開催のマニュファクチャラーズ トロフィーを獲得。しかし、レース後アントニオ・フェリックス・ダ・コスタに、キャシディへの追突で5秒ペナルティが課され、ポイント圏外にまで降格。その結果マニュファクチャチャラーズトロフィーもジャガーが獲得となった。

第16戦リザルト
| P | Driver | Pts | Laps | Total Time | Gap | to prev. | Best Lap |
| 1 | Oliver Rowland | 25 | 37 | 54:30.6 | – | – | 01:11.6 |
| 2 | Pascal Wehrlein | 18 | 37 | 54:31.6 | 1.055 | 1.055 | 01:11.3 |
| 3 | Mitch Evans | 15 | 37 | 54:34.4 | 3.782 | 2.727 | 01:11.9 |
| 4 | Sebastien Buemi | 12 | 37 | 54:34.6 | 4.004 | 0.222 | 01:11.9 |
| 5 | Jean-Eric Vergne | 10 | 37 | 54:35.4 | 4.805 | 0.801 | 01:12.1 |
| 6 | Nico Müller | 8 | 37 | 54:35.8 | 5.202 | 0.397 | 01:12.1 |
| 7 | Robin Frijns | 6 | 37 | 54:36.2 | 5.582 | 0.38 | 01:12.1 |
| 8 | Stoffel Vandoorne | 4 | 37 | 54:36.7 | 6.104 | 0.522 | 01:11.9 |
| 9 | Lucas di Grassi | 2 | 37 | 54:37.2 | 6.667 | 0.563 | 01:12.0 |
| 10 | Jake Hughes | 2 | 37 | 54:37.7 | 7.107 | 0.44 | 01:11.3 |
| 11 | Sergio Sette Camara | 0 | 37 | 54:38.2 | 7.579 | 0.472 | 01:11.9 |
| 12 | Norman Nato | 0 | 37 | 54:38.6 | 8.076 | 0.497 | 01:11.9 |
| 13 | Antonio Felix da Costa | 0 | 37 | 54:39.9 | 9.362 | 1.286 | 01:12.0 |
| 14 | Dan Ticktum | 0 | 37 | 54:40.1 | 9.478 | 0.116 | 01:12.1 |
| 15 | Sacha Fenestraz | 0 | 37 | 54:49.8 | 19.185 | 9.707 | 01:12.2 |
| 16 | Nyck de Vries | 0 | 37 | 55:14.1 | 43.48 | 24.295 | 01:11.9 |
| DNF | Nick Cassidy | 0 | 33 | 50:15.3 | – | – | 01:12.1 |
| DNF | Maximilian Günther | 0 | 28 | 41:54.9 | – | – | 01:12.1 |
| DNF | Jehan Daruvala | 0 | 8 | 15:03.0 | – | – | 01:16.3 |
| DNF | Sam Bird | 0 | 6 | 11:01.3 | – | – | 01:16.7 |
| DNF | Jake Dennis | 0 | 1 | 01:32.3 | – | – | |
| DNF | Edoardo Mortara | 0 | 1 | 01:27.5 | – | – |
ドライバーズチャンピオンシップ
| P | Driver | Pts |
| 1 | Pascal Wehrlein | 198 |
| 2 | Mitch Evans | 192 |
| 3 | Nick Cassidy | 176 |
| 4 | Oliver Rowland | 156 |
| 5 | Jean-Eric Vergne | 139 |
| 6 | Antonio Felix da Costa | 134 |
| 7 | Jake Dennis | 122 |
| 8 | Maximilian Günther | 73 |
| 9 | Robin Frijns | 66 |
| 10 | Stoffel Vandoorne | 61 |
| 11 | Sebastien Buemi | 53 |
| 12 | Nico Müller | 52 |
| 13 | Sam Bird | 48 |
| 14 | Jake Hughes | 48 |
| 15 | Norman Nato | 47 |
| 16 | Edoardo Mortara | 29 |
| 17 | Sacha Fenestraz | 26 |
| 18 | Nyck de Vries | 18 |
| 19 | Dan Ticktum | 12 |
| 20 | Sergio Sette Camara | 11 |
| 21 | Jehan Daruvala | 8 |
| 22 | Taylor Barnard | 5 |
| 23 | Lucas di Grassi | 4 |
| 24 | Joel Eriksson | 2 |
| 25 | Kelvin van der Linde | 0 |
| 26 | Jordan King | 0 |
| 27 | Paul Aron | 0 |
| 28 | Caio Collet | 0 |
チームチャンピオンシップ
| P | Team | Pts |
| 1 | Jaguar TCS Racing | 368 |
| 2 | TAG Heuer Porsche | 332 |
| 3 | DS Penske | 200 |
| 4 | Nissan | 182 |
| 5 | Andretti | 169 |
| 6 | Envision Racing | 121 |
| 7 | Neom McLaren | 101 |
| 8 | Maserati MSG Racing | 81 |
| 9 | ABT Cupra | 56 |
| 10 | Mahindra Racing | 47 |
| 11 | ERT | 23 |



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