ABTモータースポーツは7月30日、シーズン11のドライバー1人を発表。複数年契約を噂されていたルーカス・ディ・グラッシが、その噂通り継続起用される事になった。ミュラーの離脱による、ディ・グラッシのチームメイトは11月のプレシーズンテストまでに発表される予定だ。

フォーミュラEにシーズン1の最初のレース(北京ePrix)から参戦しているルーカス・ディ・グラッシは、シーズン11も継続参戦。最多出場記録(現在131レース)を伸ばす事になる。
ディ・グラッシはフォーミュラEのシーズン1が始まる前、Gen1の開発を佐藤琢磨と共に担当していた経験があり、その開発能力には定評がある。このドライバー観点でのフィードバックは、シーズン11から新たに参戦するローラモータースポーツとヤマハ発動機の協働である、「ローラ・ヤマハ」のマシンにも生かされる事になる。
チーム運営を引き続き担当するABTモータースポーツのCEOであるトーマス・ビアマイヤーはこう語る。
「新しいメーカーと協力することは多くの課題を伴います。そのため、チームの常任メンバーに加え、最も経験豊富なドライバーであるルーカスを味方につけることが非常に重要になります。」
「ルーカスと共に、フォーミュラEでの旅を続けられることを嬉しく思います。彼はチームとチャンピオンシップ全体の素晴らしいアンバサダーであるだけでなく、我々全員と同じように再び成功することを望んでおり、やる気に満ち溢れています。」
マーク・プレストン(ローラ・カーズ、モータースポーツダイレクター)のコメント
「彼の知識とフィードバックは、既にテストの段階から非常に貴重なものであると証明されています」
「ルーカスのような経験、スキル、献身性を備えたドライバーがいることは、シリーズに参入する新しいメーカーにとって大きな後押しとなります。これらの特性に加え、ABTとの既存関係もあります。ルーカスは我々のモータースポーツへの復帰に理想的なドライバーです。」
ルーカス・ディ・グラッシのコメント
「ABTは私の家族です。そこでキャリアの最高の瞬間を経験しましたし、成功に向けて毎日懸命に努力するメンバーに全幅の信頼を寄せています。ですから、私たちが一緒に新しい課題に取り組むことを非常に嬉しく思います」
「これはフォーミュラEで成功するために何が必要かを知っている人々(ABT)と、モータースポーツの豊かな伝統に技術力を持ち合わせるローラとヤマハという2つの有名ブランドが協力する、非常にエキサイティングなプロジェクトです。これから数週間は忙しくなりますが、出来る限り早く成功するために、一緒に全力を尽くします。」
ローラ・ヤマハは既にテストを開始。実はかなり順調?

アプトが使用する「ローラ・ヤマハ」のマシンは、6月に既にシェイクダウンを実施。ロンドンePrix後の翌週には2日間のテストを英国にて、ディ・グラッシのドライブで実施。来月にはスペインとイタリアでもテストが予定されるなど精力的にテストを行っている。
ABTがローラとヤマハ発動機が共同で開発したパワートレインに切り替えるというのは、既に4月に公表済みだが過去2シーズンを渡って使用してきたマヒンドラ/ZFのパワートレインと決別する事も同時に意味する。また2シーズンに渡って続いたフォルクスワーゲン系列である「クプラ」とのパートナーシップ契約も終了。シーズン11からは「ABT Lola」として参戦する。

ローラ・ヤマハを搭載するABTのGen3 Evoマシンの開発はかなり順調であり、英国のThe Race紙によると、ディ・グラッシはトラブル続きだった2022年のマヒンドラGen3開発と比較しこう語る。
「テスト初日としてはこれまでのキャリアで最高のテストの一つでした。」
「車は非常にスムーズに走行し、大きな問題なく、可能なほぼすべての構成を実行できました。
「この車のベースはかなり有望です。もちろん競争力のあるレベルに到達するには、やるべき事、改善するべき事がたくさんあります。しかし、開発するためのベースは既にあります。」
「マヒンドラのGen3プロジェクトに関わった際、少なくとも5か月間、最初のレース前のテストでこれほどスムーズに走れたことは一度もありませんでした。」
「ですから、最初のテストをスムーズに行えたのはとても興奮しました。」
ディ・グラッシは最初のテストからローラ、ABT、ヤマハの開発スタッフと協力して作業を行っていた。
「ローラの人たちと会ってからたくさんのことを学びました。来シーズンに向けてモチベーションがさらに高まりましたし、この車を運転しているときの感覚もすでに違います。」
「私はローラのメンバー達と同じ考えを持っています。彼らには大きく成長できる可能性があるとわかっています。これは来シーズンに向けて良い勢いを生み出すと確信しています。」
ディ・グラッシの相方は誰に?

ニコ・ミュラーの離脱に伴い、チームは新たなドライバーを1人入れる必要がある。ただルーカス・ディ・グラッシの相方はまだ決まっておらず、プレシーズンテストが始まる11月までに決定する予定だ。順当に行けば、リザーブドライバーを務め、数レース代役としてABTからレースに出場したケルビン・ファン・デル・リンデの可能性が高いという見方も強い。しかし、ABTは”フォーミュラE未経験の”2名を含む複数名のドライバーを比較検討しているとも噂されており、まだ読めない状況だ。
更には現在所属しているチームからの離脱が噂されるノーマン・ナトー、ユアン・ダルバラ(マセラティMSG離脱を正式発表済み)、サッシャ・フェネストラズも移籍先を探していると見られており、ABTとコンタクトを取っている可能性が高い。
フォーミュラE シーズン11 暫定ラインナップ(◎は公表済み)
| ジャガー | ミッチ・エバンス | ニック・キャシディ |
| ポルシェ | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ | パスカル・ヴェアライン |
| DSペンスキー | マキシミリアン・ギュンター | ジャン=エリック・ベルニュ |
| 日産 | オリバー・ローランド | 未定 |
| アンドレッティ | ジェイク・デニス | 未定(ニコ・ミュラー?) |
| Envision | ロビン・フラインス | セバスチャン・ブエミ |
| マクラーレン | サム・バード | テイラー・バーナード |
| マセラティMSG | ストフェル・バンドーン◎ | ジェイク・ヒューズ◎ |
| ABTローラ | ルーカス・ディ・グラッシ◎ | 未定 |
| マヒンドラ | ニック・デ・フリース | エドアルド・モルタラ |
| ERT | 未定(ダン・ティクタム?、サッシャ・フェネストラズ?) | 未定(セルジオ・セッテ・カマラ?、ユアン・ダルバラ?) |



コメント
甥がキャシディのパフォーマンスエンジニアをしています。11シーズンに向けてキャシディのレースエンジニアが別部署への移動で替わるかもしれません。楽しみです。11シーズンはドライバー、コンストラクターズ共にチャンピオンを取ってほしいです。
東京大会では、予選でウオールにヒットさせたエバンスのホイールをもらって帰ってきました。