F2ドライバーのテイラー・バーナード、フォーミュラEレギュラーデビューへ。マクラーレンが来シーズンのドライバー陣営を発表。バードも残留へ【フォーミュラE】

Formula E

NEOMマクラーレン・フォーミュラEチームは8月27日、シーズン11のドライバーラインナップを正式発表。昨シーズンもドライブしたサム・バードの残留が確定し、チームを離脱したジェイク・ヒューズの後任は現在AIXレーシングからFIA F2に参戦中のテイラー・バーナードとなった。

© McLaren Electric Racing

テイラー・バーナードは昨シーズン、マクラーレンのリザーブドライバーとして契約しており東京含む数戦では現地に帯同していた。またモナコePrix、ベルリンePrixでは手を骨折したサム・バードの代役としてレースに出場。モナコePrixでは急遽の参戦となり準備無しで2回目の練習走行セッションから参戦。14位完走を果たした。続くベルリンePrixの2連戦はそれぞれ10位と8位でフィニッシュしポイントを獲得。チームメイトのジェイク・ヒューズよりも前でフィニッシュし、フォーミュラE最年少入賞者にも輝いた事で、レギュラー参戦が有力視されていた。

ジェイク・ヒューズがマクラーレンを離脱する事がチーム内で明らかになった直後の6月初旬、マクラーレンはテイラー・バーナードとの交渉を本格的に開始。なおテイラー・バーナードとマクラーレン間のリザーブドライバー契約には、レギュラー契約オプションが含まれていた事もイギリスのThe Race紙によって明らかにされている。

交渉の末、ロンドンePrix前後の7月にバーナードとマクラーレンはレギュラードライバー契約を締結。このまま12月の開幕戦サンパウロePrixに出場すると、フォーミュラEの最年少フルタイムドライバーの記録を更新する事になる。

シーズン1からフォーミュラEに参戦しており、数々の成功を収めたサム・バードも、マクラーレンから継続参戦する事が正式発表された。現在37歳のバードは、シーズン10のサンパウロePrixにて最終ラップで劇的なオーバーテイクを成功させ逆転優勝。マクラーレンのフォーミュラE初優勝に貢献したと共に、Gen3マシンでの日産パワートレイン初優勝にも貢献した。

マクラーレンは実質ルーキーのテイラー・バーナードと大ベテランのサム・バードという真逆とも言える組み合わせで来シーズンを戦うことになり、昨シーズンのバード/ヒューズと同様、2人ともイギリス国籍というオールブリティッシュ体制は継続となった。

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テイラー・バーナードのコメント

「シーズン11にて、NEOMマクラーレン・フォーミュラEチームのためにレースへ参加できることを嬉しく思います。シーズン10ではチームのリザーブ及び開発ドライバーを務め、その間に多くのことを学んだほか、モナコとベルリンではそれを実践しました。」

「今シーズン、サムと一緒にレースをできることに興奮しています。彼はグリッド上で最も経験豊富なドライバーの一人ですし、彼から多くのことを学べると確信しています。共にたくさんのポイントを獲得し、チームのためにトロフィーを持って帰れる事を願っています。」

「フルタイムフォーミュラEドライバーとして、チームと共に旅を続けることができるのは素晴らしい事ですし、シーズンが始まるのが待ちきれません。」

サム・バードのコメント

「シーズン11もNEOMマクラーレン・フォーミュラEチームに残れてとても嬉しいです。このチームは私にとって家族のような存在で、これからのシーズンでは一緒にさらに良い成果をあげられると信じています。一緒に過ごした最初のシーズンでも良い仕事をしてきましたが、次はそれを基に、2年目としてさらに良い思い出を作る時です。」

イアン・ジェームス(NEOMマクラーレン・エレクトリックレーシング最高責任者兼NEOMマクラーレン・フォーミュラE チーム代表)のコメント

「NEOMマクラーレン・フォーミュラEチームとしては3年目となるシーズン11に、テイラーとサムというラインナップで戦えることを嬉しく思います。」

「テイラーは昨シーズン、チームでリザーブおよび開発ドライバーを務め、トラック内外で彼の献身性、プロ意識、才能を発揮しました。モナコでは、非常に短い期間で自分の能力を発揮しなければならないという滅多にない機会を見事成功させ、パドック全体に感銘を与えました。フォーミュラEに対する彼の理解は、ベルリンでの力強い入賞によってさらに強調されました。」

「シーズン10 からNEOM マクラーレンに加入したサムは、すぐにチームの重要なメンバーになりました。彼はサンパウロにて、歴史的なマクラーレンEVレース初勝利を達成し、成功への絶え間ない貪欲さを示しました。私たちと2 年目のシーズンを迎えるにあたり、彼とテイラーが私たちの目指すリザルトをもたらしてくれる事に疑いの余地はありません。」

ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシングCEO)のコメント

「フォーミュラE 3年目のシーズンを迎えるにあたり、サムとテイラーという強力なドライバー陣で戦える事を嬉しく思います。両選手とも、フォーミュラEにF2といった他のカテゴリーの両方で素晴らしい才能を発揮しています。彼らのスキルと専門知識が、シーズン11においてNEOMマクラーレンフォーミュラEチームを成功に導いてくれる事を楽しみにしています。」

バーナードの経験はどう生きるのか

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フォーミュラEのレギュラーシートを獲得したテイラー・バーナードだが、驚くべきことは4年前まではカートをメインに戦っていたドライバーであるという事だ。4年前、バーナードはニコ・ロズベルグが設立したロズベルグ・レーシング・アカデミーチームからCIK-FIAカート・ヨーロッパ選手権に出場。トップから2ポイント差の準優勝を飾っている。なおその時チャンピオンを獲得したのが、メルセデスからF1昇格が確実視されているキミ・アントネッリであった。

バーナードはその前も、カートで様々な成功を収めており、特にイギリス国内での選手権を中心にタイトルを数多く獲得している。

この競争の激しいカートでの経験が、戦略を適切に選び、いつ攻めるべきかを知ることに役立ったと考えられており、実際代役参戦したベルリンePrixでレギュラードライバーを多数破ったこのレース勘に貢献していたと考えても良いだろう。

バーナードはThe Race紙の取材に対してこう語っている。

「エネルギー管理を本当に完璧にするにはもう少し時間が必要でした」

「僕がが若いドライバーだからなのか、グリッド上の他のドライバーよりも最近はカートに多くの時間を費やしているからなのかは分かりませんが、フォーミュラEのレースに飛び込んだ時、いつ前に出るべきなのか、どのようにオーバーテイクのタイミングを取ればいいのかを理解出来ていたように感じました。」

「ですので、レースそのものの技術に加え、電費マネジメントなど他の分野に対しもう少しエネルギーを費やせるような気がしています。」

なおテイラー・バーナードは現在FIA F2選手権にAIXレーシングから参戦しているが、フォーミュラE シーズン11の開幕戦とF2の最終戦が日程衝突していることから、F2途中撤退を余儀なくされると考えられている。バーナードの後任については、今後AIXレーシングから正式発表があるものと考えられている。

フォーミュラE シーズン11(2024/2025) 暫定エントリーリスト(◎は正式発表済)

TeamDriver
ジャガーミッチ・エバンス◎ニック・キャシディ◎
ポルシェアントニオ・フェリックス・ダ・コスタパスカル・ヴェアライン
DSペンスキーマキシミリアン・ギュンタージャン=エリック・ベルニュ◎
日産オリバー・ローランドサッシャ・フェネストラズ
アンドレッティジェイク・デニス◎ニコ・ミュラー◎
Envisionロビン・フラインスセバスチャン・ブエミ
マクラーレンサム・バード◎テイラー・バーナード◎
マセラティMSGストフェル・バンドーン◎ジェイク・ヒューズ◎
ABTローラルーカス・ディ・グラッシ◎未定(ケルビン・ファン・デル・リンデ?、ティム・トラムニッツ?、ダン・ティクタム?)
マヒンドラニック・デ・フリース◎エドアルド・モルタラ◎
ERT未定(ダン・ティクタム?、ユアン・ダルバラ?)未定(セルジオ・セッテ・カマラ?、ユアン・ダルバラ?)

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