トヨタ 8号車が完全優勝!【WEC 第5戦 サンパウロ6時間 決勝レポート】

WEC/ル・マン24時間

日本時間 2024年 7月14日深夜から15日早朝にかけて行われたWEC 第5戦 サンパウロ6時間耐久レースは、2位でスタートしたトヨタ・ガズーレーシング 8号車の勝利で幕を閉じた。

大混戦のスタート
現地時間の午前11:30、トヨタのワンツーでレースがスタート。極めてコース幅が狭いインテルラゴス・サーキットのセクター1をハイパーカーが3,4ワイドで列を成して通過していく。2番手でスタートしたトヨタ・ガズーレーシング 8号車のブレンドン・ハートレーがブレーキロックで1コーナーを飛び出し、ショートカットする形でコースに復帰したが、これはお咎めなしとなった。

1周後、アルピーヌ・エンデュランス・チームの35号車と36号車がサイドバイサイドで1コーナーに突入。チームメイト同士ということもあり間を取ったのか、35号車のポール・ループ・シャタンがコースを飛び出しスピン。一時的にマシンを停め、LMGT3クラスの最後尾付近までポジションを落とした。

スタート直後にペースを上げられない印象のあるキャデラック V-Series.R。キャデラック・レーシング 2号車が4番手でスタートしたがペースを上げられずにトップ3より0.5~1.0秒程遅いタイムで周回を重ねる。ハーツ・チーム・JOTAの猛攻を抑え込もうと必死に抵抗するが、レース開始から33分後にとうとうポジションを明け渡した。最初のピットストップの頃にはフェラーリ・AFコルセ 51号車にも抜かれ、6位まで順位を落とす。

それから約5分後、4番手を快走するハーツ・チーム・JOTA 12号車にポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ 6号車が襲いかかる、も2台は接触。バックストレート(レタ・オポスタ)で6号車が12号車の左から並びかけるが、12号車が左にマシンを振ったことにより、12号車の左リアと6号車の右フロントが接触した。これにより6号車は右フロントタイヤをパンクしピットイン。ハイパーカー最後尾まで順位を落とした。ポルシェ陣営の同士討ちということもあり、2019年ブラジルグランプリでのベッテル vs ルクレールの同士討ちを思い出した人も多いだろう。後にハーツ・チーム・JOTA 12号車へ30秒のストップ&ゴーペナルティが課せられた。

レース開始から1時間ほど経過したところで、プロトン・コンペティション 99号車をプジョー・トタルエナジーズ 93号車がパス。さらに45分後にはAFコルセ 83号車も攻略し、一時5位まで順位を上げる。イモラでフロントウィング付きマシンを導入して以降、上位チームに手も足も出ない状況が続いていたが、ここに来て初めて復調の兆しを見せた。結果的に93号車は8位でチェッカーを受け、今シーズン最上位でレースを終えている。

プジョーに抜かれた2台はその後、6コーナー(フェヤドヤ)で接触。プロトン・コンペティション 99号車のジュリアン・アンドラウアーがAF コルセ 83号車 ロバート・クビサのインに車をねじ込む。83号車はスピンを喫し大きく順位を落とした。AFコルセ 83号車はル・マンと同じく、ここでも他責の接触で順位を落としてしまった。どのレースでもトップを狙える速さを示してはいるだけに、早く結果に繋げたいところだ。プロトン・コンペティション 99号車にはドライブスルーペナルティが課せられた。

レース残り3時間50分、トップを走っていたトヨタ・ガズー・レーシング 7号車に燃料系のトラブルが発生。スティント半ばでの緊急ピットインを強いられたうえに、トラブル解決に4分を要してしまう。トップから一気にハイパーカークラス最後尾まで落ちてしまった。

その直後、ロバート・クビサからイーフェイ・イエにドライバーを交代したAFコルセ 83号車が1コーナーでBMW・MチームWRT 20号車のロビン・フラインスに追突。今度はドライブスルーペナルティを課せられる側になってしまった。散々である。

その後は穏やかにレースが進行。トヨタ・ガズー・レーシング 8号車を先頭にポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの2台が続き、その下にフェラーリとポルシェが入り乱れるという構図だ。

レース残り1時間、ハーツ・チーム・JOTA 12号車のカラム・アイロットが4コーナーで単独スピン。リアウィングを大きく破損しピットでの修理を強いられ、ハイパーカークラスのほぼ最後尾まで順位を落とした。

さらに時間は流れ、レース残り10分。今度は4番手を走っていたハーツ・チーム・JOTAの38号車に災難が襲いかかる。技術的な違反があるとして5秒のストップ&ゴーペナルティを受けたのだ。これにより7位へ後退。2台ともストップ&ゴーペナルティを受ける散々なレースになってしまった。

最後にトヨタ・ガズー・レーシング 7号車の小林可夢偉が見せ場を作る。残り5分、ホームストレートでフェラーリ・AFコルセ 51号車 アレッサンドロ・ピエル・グイディの背後に迫った小林可夢偉は右から仕掛けると思わせて左へ切り返して豪快にオーバーテイク。15年前、同じ場所でワールドチャンピオンのジェンソン・バトンを軽く抜き去った天才ドライバーのカムイ・コバヤシは今も健在だと世界に知らしめる素晴らしい一幕だったように思う。

優勝はトヨタ・ガズー・レーシング 8号車のセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組。彼らにとってシーズン初表彰台にして初優勝となった。昨年のワールドチャンピオンがここまで表彰台にすら乗っていなかったことは驚くべき事実だろう。2位にポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ 6号車のケビン・エストレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ファントール組、3位に同じくポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ 5号車のマット・キャンベル/マイケル・クリステンセン/フレデリック・マコヴィッキィ組が入った。6号車は序盤の接触で最後尾まで順位を落としたにも関わらず、ここまで戻ってきたのは流石ポイントリーダーといったところだろう。一方で全てのレースで6号車に負け越している5号車には疑問が残る結果だ。同じパッケージを使用し、ドライバーの実力も疑いようがない両車にここまで差が開く要因はいったい何なのだろうか。

BMW・MチームWRT 15号車とアルピーヌ・エンデュランス・チーム 35号車はそれぞれ9位,10位でチェッカーを受け、今シーズン初ポイントを獲得した。これによりフル参戦でありながら、今シーズン1ポイントも獲得していない車はプジョートタルエナジーズ 94号車とイソッタ・フラスキーニ 11号車のみとなる。

次戦は8月30日から9月1日にかけてCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で行われるローン・スター・ル・マン、その2週間後には待望の富士6時間レースが開幕する。

POSNUM CLASSPICTEAMCARLAPSGAPINTBS1BS2BS3BESTPITS
18Hypercar1Toyota Gazoo RacingToyota GR010 – Hybrid23621.93743.30019.7971:25.3405
26Hypercar2Porsche Penske MotorsportPorsche 9632361:08.8111:08.81122.05144.19819.8591:26.4295
35Hypercar3Porsche Penske MotorsportPorsche 9632361:15.9937.18221.84943.67319.9091:25.6515
47Hypercar4Toyota Gazoo RacingToyota GR010 – Hybrid2361:23.5717.57821.76542.96719.9241:24.8016
551Hypercar5Ferrari AF CorseFerrari 499P2361:27.3953.82422.04444.18819.9181:26.2826
650Hypercar6Ferrari AF CorseFerrari 499P2351 lap1 lap22.03744.41519.7831:26.4965
738Hypercar7Hertz Team JOTAPorsche 9632351 lap9.77822.02644.54119.9231:26.6476
893Hypercar8Peugeot TotalEnergiesPeugeot 9X82351 lap33.09522.15944.97319.8871:27.0875
915Hypercar9BMW M Team WRTBMW M HYBRID V82351 lap10.04522.14744.72520.1011:27.1655
1036Hypercar10Alpine Endurance TeamAlpine A4242342 laps1 lap22.03644.64919.9641:26.8375
1183Hypercar11AF CorseFerrari 499P2342 laps4.73622.06244.59020.0261:26.8006
1235Hypercar12Alpine Endurance TeamAlpine A4242342 laps10.58522.15344.25320.0941:26.5005
132Hypercar13Cadillac RacingCadillac V-Series.R2342 laps18.68822.17543.91720.0771:26.3126
1420Hypercar14BMW M Team WRTBMW M HYBRID V82342 laps1.78922.17344.70119.9141:26.8965
1599Hypercar15Proton CompetitionPorsche 9632342 laps11.59322.06244.70719.9741:26.9876
1694Hypercar16Peugeot TotalEnergiesPeugeot 9X82342 laps10.97322.21144.76119.7171:26.9735
1763Hypercar17Lamborghini Iron LynxLamborghini SC632342 laps4.22022.21244.61619.9661:27.0976
1812Hypercar18Hertz Team JOTAPorsche 9632333 laps1 lap22.14444.15319.8611:26.4107
1992LMGT31Manthey PureRxcingPorsche 911 GT3 R LMGT321422 laps19 laps24.68048.14323.2611:36.4866
2027LMGT32Heart of Racing TeamAston Martin Vantage AMR LMGT321323 laps1 lap24.50048.13023.0381:35.9197
2195LMGT33United AutosportsMcLaren 720S LMGT3 Evo21323 laps48.84424.63248.20823.0051:36.3846
2259LMGT34United AutosportsMcLaren 720S LMGT3 Evo21224 laps1 lap24.65748.06323.1131:36.2287
2346LMGT35Team WRTBMW M4 LMGT321224 laps0.71524.75148.66723.1351:36.8626
2455LMGT36Vista AF CorseFerrari 296 LMGT321224 laps0.81324.53247.87823.2891:35.8827
2577LMGT37Proton CompetitionFord Mustang LMGT321224 laps5.06724.78448.25823.1421:36.3476
2681LMGT38TF SportCorvette Z06 LMGT3.R21224 laps2.19524.72048.12723.2601:36.1957
27777LMGT39D’Station RacingAston Martin Vantage AMR LMGT321224 laps51.71824.70548.04523.1581:36.0437
2831LMGT310Team WRTBMW M4 LMGT321125 laps1 lap24.82448.75623.1871:37.0187
2987LMGT311Akkodis ASP TeamLexus RC F LMGT321125 laps1:20.83324.75448.49923.2141:36.7876
3091LMGT312Manthey EMAPorsche 911 GT3 R LMGT320927 laps2 laps24.84248.53323.1711:37.0249
3188LMGT313Proton CompetitionFord Mustang LMGT320828 laps1 lap24.72148.44623.2501:36.5318
3260LMGT314Iron LynxLamborghini Huracan LMGT3 Evo220828 laps1:07.36124.65648.30523.1081:36.2708
3354LMGT315Vista AF CorseFerrari 296 LMGT319145 laps17 laps24.64447.95523.4031:36.3417
3411Hypercar19Isotta FraschiniIsotta Fraschini Tipo6-C14986 laps41 laps22.28144.55520.0691:26.9535
3585LMGT316Iron DamesLamborghini Huracan LMGT3 Evo213996 laps10 laps24.60248.11122.9581:35.7775
3682LMGT317TF SportCorvette Z06 LMGT3.R133102 laps6 laps24.84948.43923.3191:36.6386

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